* 実現したい機能のために仕様を考える#1 -(by [[K]], 2017.06.14) ** 引数の渡し方 -[1] -C言語では、変数aと変数bを交換する関数を書くとしたら、呼び出し時には swap(&a, &b); と書かなければいけない。 -私はこれはかっこよくないと常々感じている。この&を書かずに済ませる方法はないだろうか。 -ちなみにC++なら参照型とかを使ってこれを解決できる。 -Essenでは関数側の要求に合わせて引数リストを解釈するのではなく、何の事前情報もなしに引数リストを評価して、それを関数に渡すという方式を採用したい。なぜならそのほうがずっと簡単だから。 -となるとC++方式は採用できない。 -要するにとにかく (a b) と書いたときに、aやbの値を参照してそれを埋めてしまってはいけない。つまり単純に (1 2) とかに変換してはいけない。これじゃあ swap は実現できなくなる。 -どんな方法にすべきかは後で考えるとして、とにかくこれだけはありえない。 -[2] -どうすればいいか。それはここにはひとまず a と書いてありましたという情報のままにしておくしかない。しかも同じ a でも文脈(スコープ)によって指すものが変わるから、その情報も持たせるべきだ。それをここでは @a とでもあらわすことにしよう。 -そうすると (a b) は内部的にはこうなる。 (@a @b) -それで print (a b) とすると、まず内部で (@a @b) が生成されて、表示するために値が評価されて、それで (1 2) が出てくる。 -なるほどこれはいけるかもしれない。 -この方法だと、 (@a @b) を生成した後でも、評価する前にaやbの値を変更すれば、その新しい値が反映されるということになる。 -これは面白いが危険だ。 a = 1 b = 2 x = (a b) a = b = 0 printt x -これで表示されるのは (0 0) でしたっていうのは明らかに直感に反する。ここは (1 2) であるべきだ。 -どうすれば両立できるか。 -代入演算子の意味を見直そう。 -通常の代入では、 @a や @b みたいな情報を検出したら、それを評価して定数化してしまう。そうではなくて参照情報を参照情報のまま代入したいのであれば、 ::= とかを使え、とすればいい。 -これでこの問題はひとまず解決する。 -[3] -なお、変数が単独で現れずに、式の形で現れた場合は、参照情報は生成しない。たとえば (a + 0 b * 1) など。 -この場合は即座に (1 2) になる。 -この何もしないっていう演算子は役に立つかもしれない。 ~~ っていうのを作ろう。 -[4] - ::= 演算子を使えば、遅延評価みたいな仕組みも実現できそう。まあそれがやりたかったというわけではないけれど。 -[5] -この仕様の場合、 (a b) にはaやbを書き換えるための情報を十分に含んでいるので、何か適当な演算子を作ればこういうことができるはず。 (a b c) :::= (3 4 5) -つまりこれでa、b、cを書き換えられる。 -これはこれで便利そう。 * こめんと欄 #comment